パーマ

かつて日本人は、美しくも儚く、時には厳しい牙をむく大自然に畏怖の念を抱き、 人と人とが助け合う暮らしの中に独自の精神性、価値観を育んできました。

ここ竹田でも奥深い山々に切り立つ崖地に囲まれた小さな城下町で、 厳しい生活環境や自然災害を乗り越える様々な英知と、キリシタンなどの異国の文化を受け入れ、 敬い助け合う和の精神や、日本を代表するような独自の芸術文化が生まれました。

今や快適さの中でしか暮らせなくなってしまった我々現代人は、その代償として数々の未曾有の大災害を体験した今もなお、 かつての美しかった風景や安全な暮らしを取り戻す術もわからず、ただ呆然とそこに立ち尽くしています。

私たちが次の世代に伝えなければならないこと。
それは、この美しい日本の四季と共に歩む永続的な暮らしのデザイン “Permanent Design” です。

そのために、ここには電線も引かれていません。
ガスも引かれていません。
エアコンなんて文明の利器もありません。
あるのは、 降り注ぐ太陽と満天の星の下、森と水が育む生命の営みと
そこに暮らす人々の優しさと共生の知恵だけです。

私がこの町で偶然出会った、昭和のパーマ屋さんの廃墟。
終わりなき創造の旅はここから始まりました。

ランドスケープデザイナー
EARTHSCAPE 団塚栄喜